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トレーナー勉強会(RICE処置)

初めまして!フィットネスセンタースタッフの渡辺利信です。

男子バスケットボール部のトレーナーをしています。

今日は先日私が担当したトレーナー勉強会の「RICE処置」について書きたいと思います。トレーナー勉強会の対象は各部活動のマネージャーで、実施する目的は以下の2つになります。

・トレーナーの役割・知識を知ってもらうこと

・トレーナーの知識を持ってもらい、現場で対応できることを増やすこと

各部活動ではトレーナーがフルタイムで帯同することはほぼないため、必然的にマネージャーがトレーナーの役割を担う機会が多くなっています。

そこで体育会サポートを担当しているフィットネスセンターのスタッフが、現場対応の内容をメインに勉強会を実施しております。

さて、先日私が担当した「RICE処置」ですが、皆さんはご存知でしょうか?

最近ではトレーナー活動の普及もあって、中学校や高校の部活動でも行われ、言葉としてはかなり浸透し、スポーツ現場にとっては身近なものになっているのではないかと感じます。

ただIce(冷却)のみの対応など、正しく処置されていないことも多いため、ここでは「RICE処置」の目的や効果などについて、簡単に説明していきます。

1.RICE処置とは?

RICE処置とは、Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの方法の頭文字を取った、ケガが起きた時の代表的な応急処置の方法のことです。RICE処置を実施する目的は、「ケガをして組織が損傷した際に起こる反応(炎症症状)を最小限に抑えること」です。炎症症状を最小限に抑えることが出来れば、選手の早期復帰の可能性が高くなります!

2.炎症症状とは?

では、先ほど出てきた「炎症症状」について説明していきます。「炎症症状」には以下の5つの症状があります。

患部が赤くなること(発赤

患部の温度が上がり、熱を持つこと(熱感

患部が腫れること(腫脹

患部に痛みが出ること(疼痛

患部をうまく動かすことが出来ないこと(機能障害

ケガが起きると体の中では組織の損傷が起きて、上記の様な症状が見られます。

症状だけ見ると、炎症は体にとって悪い影響を与えているという印象を持ってしまうかもしれませんが、損傷した組織の修復には必要不可欠な反応なのです。

しかし炎症は放置してしまうと二次被害が始まってしまい、逆に回復を遅くしてしまうので、「最小限に抑える」ことが大事になってくる、ということです。

3.RICE処置の方法

「炎症を最小限に抑える」にはどうしたらよいか、RICE処置の実際の方法についてです。各方法の効果と方法は以下の通りになります。

Rest(安静):脈拍を上げないことで必要以上に損傷部位に血流を送らないため、損傷部位を悪化させないため

→ケガによって仰向けやうつ伏せなど、損傷部位にとって一番ストレスの少ない体位

Ice(冷却):熱感、腫脹、疼痛のコントロール

→アイスパック、氷嚢、アイスバス、コールドスプレーなど

Compression(圧迫):血流の抑制、内出血の抑制

→フレキシラップ、バンテージ、包帯、U字パッドなど

Elevation(挙上):損傷部位を心臓より高くすることで、静脈を促進させるため

ケガによって工夫する(足関節捻挫の場合は膝~足関節にかけて布団やクッションを入れて挙上するなど)

以上の4つの処置を状況に応じて多く施すことが、炎症を最小限に抑えるために大事になります。炎症はケガにもよりますが、約48~72時間継続すると言われています。その場の応急処置だけでなく、継続した処置の指導にも注力しましょう!

4.まとめ

・RICE処置とはケガが起きた時の代表的な応急処置の方法

・RICE処置の目的は炎症症状を最小限に抑えること

・炎症症状を最小限に抑えることが出来れば、早期復帰できる可能性が高くなる

・R,I,C,Eのひとつひとつに効果があり、状況に応じて多くの処置を施すことが大事

今回は簡単ですがRICE処置について書かせてもらいました。

今後も知識と理解をもって、アスリートのより良いサポートをしていきましょう!

<参考文献>

・AT教本⑧「救急処置」 日本体育協会

・スポーツ医学検定公式テキスト 一般社団法人 日本スポーツ医学検定機構


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